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2013年02月28日 vol.16

《shadowtimes》Post.8「階層性(レイヤー)の発見」港千尋

ロシアの隕石落下のニュースには驚いた。まさに「青天の霹靂」を描いたかのような、あの動画を繰り返し見て、何事も起きそうにない晴れた日に、霹靂が落ちることに言葉を失った。 あのニュースが届く直前に、「この世の終わり」をテーマにしたビデオクリップを見ていたせいもある。空の一部がピカリと光、それが「終わり」を暗示するのだが、その光り方がそっくりだったのだ。 かの隕石画像も、だから、特殊効果を重ね合わせたように見えてしまう。これは一枚の画像なのだろうか。 写真をコンピュータで処理するようになって一般化した言葉がいくつかある。レイヤーもそのひとつで、デジタル化以前にはあまり聞く機会はなかった。 画像をレイヤーに分けて処理することが前提となり、一枚のイメージのなかにいくつもの「階層」があるという考え方が一般化した。誰も疑問をもたずにそうしているが、レイヤー概念が一般化する際に、「一枚のイメージ」はほんとうに一枚なのか、という問いがあってもよかったかもしれない。

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2013年02月21日 vol.15

《Days and Lights》Post.7「落ちる水 昇る火」勝又公仁彦(邦彦)

年末年始に北米に行ってきた。最初の目的地は冬のナイアガラだ。 ナイアガラといえば、滝である。滝というと人里離れた深山幽谷を思い描くのが道理だろう。通う人もない山道を分け入って行くと、水音が遠く聞こえてくる。さらにしばらく歩くと水音はだんだん高くなる。空気は湿気を増してひんやりとしてくる。崖を下ったり、森に分け入ったりして、次第に水音は轟々とし、やっとその姿が拝めるもの、と思っているかもしれない。 しかし、ことナイアガラに関しては完全なる開けた観光地である。観光地なので、行かれた方も多いとは思うが、一応説明すると、周りにはホテルやカジノが建ち並び、ショッピングモールは全世界からの観光客で溢れている。 カナダとアメリカの国境に位置しているのだが、特にビューポイントの多いカナダ側の開発のされ方は顕著だ。流石に砂漠の真ん中に人工の歓楽街を作り上げた大陸。情緒も何もなくてむしろ清々しいくらいである。

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2013年02月14日 vol.14

《shadowtimes》Post.7「モクテズマ・デー」港千尋

中国や台湾では春節の休みがつづく今日、世界中でさまざまなプレゼントが贈られる。花束、クッキーそしてなんといってもチョコレートだが、やはり日本における売り上げはダントツらしい。 中南米原産のカカオ豆をヨーロッパに持ってきたのはスペインで、これを大衆に広めたのはフランスだが、これらカトリック国でさえ、聖バレンタインとチョコレートの直接的結びつきは、まだまだ理解できていないようだ。 日本からの逆輸入として習慣化するかもしれないが、時間がかかるだろう。スペインでチョコラーテは日常的な「飲みもの」である。ココアに似ているが、かなり濃くまるでお汁粉のような甘い液体が大きなカップで出てくる。 これにチュロスと呼ばれるチューブ状の揚げ菓子をつけて食べるのが日常。おそろしくカロリーが高そうだが、いちど食すとやみつきになる。飲み物として定着しているのは、そもそもの起源を踏襲しているからにほかならない。

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2013年02月07日 vol.13

《Days and Lights》Post.6「二つの白い嶺」勝又公仁彦(邦彦)

前回、雷(Lightning)に打たれるような経験を、悟り(エンライトメント)を多少関連づけて書いた。悟りと言えばインド起源の宗教を中心に使われる言葉だが、本誌1号で禅堂の写真を少しご紹介した。また、前回の5号の《shadowreccomendes》でご紹介した佐久間さんには禅僧仙がいの○△□図にインスパイアされた作品シリーズがある。私も大学生の頃にその画を含めた仙がいの書画のポストカードを部屋に貼っていた覚えがある。 その仙がいと並んで江戸期禅画の双璧とされているのが、白隠である。ちょうど現在、東京渋谷の文化村ザ・ミュージアムにて展覧会が行われているようだ。ようだ、というのはまだその展覧会は観にいっていないためだ。 その展覧会は観に行っていないが、近年、白隠のいた松蔭寺(しょういんじ)を何回か訪ねている。 そこでちょうど良い機会でもあるので、白隠について少し書いてみたい。展覧会には行かれていても、白隠がその生涯の多くを過ごした地を訪れた読者はまだそれほどいないだろう。

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