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2013年03月28日 vol.20

《shadowtimes》Post.10「ミュージアム都市(1)」港千尋

前回勝又さんがニューヨーク近代美術館について、リニューアルオープン以来と書いていたのを読んで、すこし懐かしくなった。MoMAは新生するにあたって、建築家谷口吉生さんの展覧会を開催したが、わたしはそのために制作された映像作品のディレクションに参加していたのだった。 展覧会は建築家が日本国内で設計した九つの美術館を紹介するもので、当時としては最高画質のハイビジョンプロジェクターを使った三面スクリーンの映像である。準備段階で谷口さんについて、建設途中の美術館を数度訪れたことや、日本では考えられないような派手なオープニングのことも思い出したのである。 MoMAは言うまでもなく、世界でもっとも重要なコレクションを擁する近代美術館というだけでなく、ニューヨークという都市のシンボルとして、その建築自体がひとつの歴史である。

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2013年03月21日 vol.19

《Days and Lights》Post.9「MORITAを巡る旅」勝又公仁彦(邦彦)

卒業の季節である。今年は桜の開花が早いようで、地域によっては花咲く中の卒業となる方もいるだろう。 このメールマガジンの読者に学生の方はほとんどいないかもしれない。まだ卒業から日の浅い方は近い思い出として、今は親や祖父母となり、あるいはその世代の方々には昔日(せきじつ)を振り返りつつ読み進めて頂きたい。 毎年のことだが、学生の大学生活が後半に差し掛かってくると就職や進路についての相談を受けることが増えてくる。私自身がまともな就職をしていないので、反面教師としての答えしか出来ないのが申し訳ないところだ。 高い学費を出してもらったのだからとか、親を安心させるため、あるいは親が就職就職とうるさいから、といった理由で就職を考える学生が少なからずいる。 その理由はもっともだし、私も同じような理由で大学卒業後にとりあえず働きだしたが、出来れば就職などせず美大で学びたいと思っていた。それが出来なかったことが今でも心残りだ。

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2013年03月14日 vol.18

《shadowtimes》Post.9「バルの春」港千尋

国によって違いはあれど、春の訪れは誰にとっても待ち遠しいものだ。北の大地はまだまだ深い雪のなかにあるが、南では枝先に緑が芽をふきだした。路上に人の姿が戻ってくる。そんな季節にスペインを訪れている。 スペインではバルの世話になることが多い。最近は日本でも増えてきたようだが、居酒屋よりも頻繁に利用するところが、すこし違うかもしれない。 朝のコーヒーに始まり、昼、夜と一日中、ほぼ時間を問わずに飲食ができる、それがバルのいいところというか、役割である。喫茶店と居酒屋が分かれていないというわけだ。 とうぜん敷居は低く、たいがい値段も安くて庶民の味方である。旅行中は食事も休憩もすべてバルで済ませる。バスク地方特有の「ピンチョス」というタパスで朝から夜まで通せるのでありがたいことこの上ない。

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2013年03月07日 vol.17

《Days and Lights》Post.8「テスラの河」勝又公仁彦(邦彦)

この年末年始、北米に行ってきたことはお知らせしたばかり。 ニューヨークJFK空港から乗り継いで、バッファロー空港で降り、ナイアガラへ向かった。 バッファローからナイアガラへのタクシーの中、私は窓外の光景の二つに目がいった。一つは各家の屋根に必ず四角い煙突が見えること。もう一つは、かなりの数の送電線が縦横に延びていることである。 特にバッファローから我々が向かっている方向への送電線はいつまで経っても途切れることなく続いていた。途中で陽が落ちてしまいその到達点がどこなのかは追うことが出来なかったけれども。 送電線は言うまでもなく電気を送るためのものだ。私は子供の頃から高圧線や電線を観察や鑑賞の対象にしていたので、国による送電線や鉄塔の違いには敏感なほうかもしれない。 最初に意識的に長時間露光をしたのも天体写真を除くと、旅先で見た夜の鉄塔と送電線だった。しかしそれがどこから来て、どこへ向かっているのかについては突き止めることなく過ごしてきた。

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