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2013年04月25日 vol.24

《shadowtimes》Post.12「ゲームの王」港千尋

コンピュータと人間が勝負するのは、これが初めてではない。だがこの4月20日に行われた第2回電王戦は、いろいろな意味で記憶として残るゲームになった。 将棋ソフトとプロ棋士5人が対戦した団体戦の結果は、すでに報じられているように、3勝1敗1引き分けでソフト側の勝ちである。 特に最上位に在籍している三浦弘行八段が、最終戦第5局で敗れたことは、プロのなかでも最強の部類に入る強豪をも打ち負かす強さを、「将棋ソフト」が証明したことになる。 人間対コンピュータの戦いでよく引き合いに出されるのは、チェスのチャンピオン、カスパロフとコンピュータ「ディープブルー」との対戦である。わたしは「記憶」という著書の冒頭にこの勝負を取り上げて、人間の思考とプログラムとの「戦い」から、記憶のもつ創造的な役割について書いたことがある。

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2013年04月18日 vol.23

《Days and Lights》Post.11「闇と諸相と」勝又公仁彦(邦彦)

リクエストがあったこともあり、度々自分の作品について記していこうと思う。もちろん自分で自分の作品を言葉にするのは無理もある。全てを把握し理解しているわけでもない。言葉で言い尽くせれば視覚による作品を創る必要もないだろう。 また、作品についての考えは制作の進行に伴い変化することも多く、その考えに従って新たに再編されることもある。 したがって、ひとまずは各シリーズの制作のきっかけや意図などを、開始当初の資料やメモなどを併用しながらご紹介したいと思う。 このような場合、開始された順番で紹介するのが作家の展開を理解するには親切なのではあろう。基本的には相互の関連や派生関係のわかりやすい形で紹介したい。 しかし時系列での始まりは古く、制作はその後も継続していたとしても、いまだ胚芽の状態のままクラゲの漂うが如く確固とした形をなしていないシリーズもあり、そういうものには軽く触れるのみか飛ばしていくこともあるかと思う。

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2013年04月11日 vol.22

《shadowtimes》Post.11「書庫のエコロジー」港千尋

先日書店で本を買ったついでにページを開き、そのまま閉じることのできなくなってしまった―立花隆さんの新刊である。 増え続ける本をどうするかは、多くの人にとって悩みの種だろうが、それに対するひとつの答えというか、少なくとも瞠目すべき態度を見せているのが、この本なのだと思う。 ひとことで言えば、増えれば増えるほど、本のための空間も増やせばいいのである。その結果特定の場所に書庫があるのではなく、あらゆる場所に本が置かれることによって、ついに建築そのものが巨大な書庫となるに至る。 そのような建築は、ふつう「図書館」と呼ばれるが、写真を見れば一目瞭然で、それは図書館とは似ても似つかぬ空間だ。

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2013年04月04日 vol.21

《Days and Lights》Post.10「暗がりと白と」勝又公仁彦(邦彦)

初めて「美術」に触れのはいつのことだったか皆さんは覚えているだろうか? 美術の定義に依るが、ここは非常に広い枠で進める。現代はデザイン家具なども含めて生まれた時から同時代の美術に触れて育つというお子さんも多いかもしれない。 私の場合はほとんど置物レベルの小さな彫刻が幾つかと床の間などに飾られた掛け軸や扁額などの書画といった家にあるものが目に入ってはいた。それらは全て日本のもので、美術品というより家具の一部のような感覚だった。 複製では切手の印象が強い。最近の切手にはマンガも含めて様々なものがあるが、子供の頃では日本の国宝シリーズや、近代でも棟方志功や東郷青児止まりで、日本郵便が扱うのはやはり日本の美術品がメインであった。 小中高等学校で美術史を教えてもらった覚えもないし、近くになかったせいか美術館に連れていかれた覚えもない。

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