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2013年06月27日 Vol.32

《shadowtimes》Post.16「ベネチアの井戸」港千尋

今日も雨。こうして毎日つづくのは憂鬱なものだが、しっとりした緑もそれはそれで悪くない。冬の雨に比べれば明るいし、これで水不足が解消されるならむしろ降ってくれたほうが安心だ。ウランバートルでも、草原を潤す雨はまさに天の恵みという印象だった。今日は水にちなんだ話題として、ベネチアを取りあげてみたい。 ちょうど5月末から始まった今年の美術ビエンナーレでは、田中功起さん参加の日本館が特別表彰を受けて話題になっている。昨年の建築ビエンナーレでは伊東豊雄さんらが金獅子賞を受賞しているから、2年連続の朗報だ。 いまや世界中にあるビエンナーレのなかでも老舗中の老舗である「ベネチア」は、やはり世界遺産としてあまりに有名な、歴史的建造物そのものが支えていると言えるだろう。

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2013年06月20日 Vol.31

《Days and Lights》Post.15「陶酔を超えて歌え」勝又公仁彦(邦彦)

私は演劇や身体表現についてはズブの素人だ。今年に入って観た公演も、一月のニューヨーク・メトロポリタン・オペラ、彩の国さいたま芸術劇場でのアクラム・カーン、二月の神奈川芸術劇場でのナデガタ・インスタント・パーティーと数えるほどしかない。なので、身体表現を語るような資格はないだろう。 ただ、前回の港さんのトルコからの便りを受けて、「抵抗」というキーワードで繋がりうる舞台があったので、記しておきたいと思う。 私が観たのは、彩の国さいたま芸術劇場でのマギー・マラン『Salves-サルヴズ』である。現代フランスを代表するコレオグラファー、マギー・マランの率いるカンパニー・マギー・マランの2010年初演の作品だ。

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2013年06月13日 Vol.30

《shadowtimes》Post.15「タクシム広場にて」港千尋

すでに報じられているように、トルコでは現政権にたいする抗議運動が全国に広がっている。特に発端となった首都イスタンブールではすでに2週間以上、デモや集会が続いていて、そこに偶然居合わせることになったわたしも、市民によって占拠された公園のど真ん中にいる。というわけで今回はタクシム広場からの速報である。 広場は新市街にあり、交通とビジネスの中心地である。ボスポラス海峡の西側、つまりヨーロッパ側になるが、イスタンブール全体でも、もっとも華やかで賑やかな通りの起点。 凱旋門のあるパリのエトワール広場にたとえられることが多いが、確かに周辺にはヨーロッパ風の建築が多く、世界遺産となった旧市街とは対照的な風景だ。

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2013年06月06日 vol.29

《Days and Lights》Post.14「移動するカミたち」

うつそみの人はさびしも。すさのをぞ 怒りつつ 國は成しけるものを 諏訪びとは、建御名方の後といへど、心穏(おだ)ひの あしくもあらず(『海やまのあひだ』釋迢空)/霰降り鹿島の神を祈りつつ皇御軍(すめらみいくさ)に我は来にしを(防人歌 常陸國 那賀郡の上丁、大舎人部千文『万葉集 巻二十』)/私の様に都市や住宅地など人の住む場所を主な被写体としていると、自然を嫌い人工的なものだけを追っている人の様に思われるきらいがある。現実には私は自然の豊かな地域に生まれ育ち、野山や川に遊んで育った。目の前には常に巨大な富士山が空の大部分を覆っていた。小学校のグランドの南の縁はそのまま長大な前方後円墳の段丘になっており、鬱蒼とした杉の巨木が生えていた。その中には富士山を祀る神社があり、それが私の産土社だった。大学でひょんなことから神道系の宗教哲学者を師とすることとなり、以来様々な形で神社や聖域を密かに廻って来た。それらは私にとっては、親しみ抜いたありふれたものであり、写真に撮りはしても、わざわざ発表するにはあまりに自分に強く結びついていて、批評の対象としにくいものだ。

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