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2013年08月22日 Vol.40

《shadowtimes》Post.20「夏の子午線」港千尋

夏至の祭りは世界中にあるが、8月の太陽を愛でる地域はどれだけあるのだろう。猛暑の続く日本では北海道くらいだろうか。だが今月の太陽は写真の始まりにすこし関係がある。写真術は、1839年にフランスのアカデミーがその発明を公式に認めた日を、誕生の日としている。8月19日のことである。 ジャック・ダゲールが発明した銀板写真、いわゆるダゲレオタイプを、国が特許を買い上げるという形で公開したのである。その発明の詳細を公にした記念すべき演説は、当時のフランス科学アカデミーの終身会長フランソワ・アラゴによるものだった。 この演説は小冊子の形で印刷されて版を重ね、現在も読まれている。生まれたばかりの発明が将来、どのように利用されるかを、驚嘆すべき正確さで見抜いていたからである。

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2013年08月15日 Vol.39

《Days and Lights》Post.19「永遠の残響」勝又公仁彦(邦彦)

前回は、エリアーデのシャーマニズムの岡本太郎への影響などについて、最近の考古発掘物などとの関係で述べた。シャーマンがどれだけ認知されているかはわからない。インチキ祈祷師と思っている方もいるだろうし、実際その能力に疑問符がつく者もいることだろう。 現代の日本におけるシャーマンというと、南西諸島におけるユタやノロを想起するが、より一般的には東北のイタコを思い浮かべそうだ。ご存知のようにイタコは、依頼者の呼び出してほしい死者の霊を請けて口寄せし、死者そのものとして依頼者と対話をする憑霊型のシャーマンである。 前近代的すぎて、信用できないと思われる方もいるだろう。私も実際に口寄せを見たことはないし、その真偽については判断保留の状態だ。

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2013年08月08日 Vol.38

《shadowtimes》Post.19「ミュージアム都市(2)」港千尋

橋を渡るたびに川面を見つめてしまうのは、なぜだろう。広島の太田川は、時刻によって大きく表情を変える。潮が満ちた時と引いた時では、町の色さえ違って見える。映画『ヒロシマ・モナムール』の冒頭でも、シナリオを書いたマルグリット・デュラスはそんな描写をしていた。 原爆投下から68年目を迎えた広島。今年は7月20日から10月14日まで<アート・アーチ・ひろしま2013>と題したイベントが開催されている。市内中心部にある三つの美術館が共同で開催するという初の試みで、随所にあるサテライト会場も含めると、市をあげての大きな芸術祭になる。平和をテーマに文化都市化と国際化を目指してきた広島にとって、歴史に残るイベントとなることは間違いないだろう。

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2013年08月01日 Vol.37

《Days and Lights》Post.18「七つの刻印」勝又公仁彦(邦彦)

先日、滋賀県高島市の上御殿遺跡で「守君舩人」という人名が七回書かれた、奈良時代か平安時代のものと推測される甕が発見された。七回も人名を記した土器は全国初とのことだ。厄除けが狙いではないかと言われている。どうして七回名前を書く事が厄除けになるのかはわからないし、腑に落ちない方もいるかもしれない。 古来「名前」「名付け」には呪力があると考えられてきた。そして、それを書くことで生じる呪力、唱えたり歌舞音曲にすることで生まれる音や芸による呪力、ある手続きで祀ったり安置する儀礼による呪力、またそれを祀る場所のもつ呪力などなど、様々な呪力がそこに込められていたかもしれない。 ただ、その行為や所作が甕の中のものを外敵から護るためなのか、壺の中に封じたものを外に洩らさないためのものなのかのどちらかさえ、今となってはわからない。

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