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2013年09月26日 Vol.44

《shadowtimes》Post.22「時代とモノサシ」港千尋

先日東京で、インド、韓国、中国などのキュレーターを対象にレクチャーをする機会があった。国際交流基金の招きで日本を訪れている、ギャラリーや美術館の若手キュレーターたちである。美術に触れるにはいちばんいい季節だ、きっと多くの発見があるだろう。 ひとしきり写真について話をした後、「漠然としていますが」と前置きして、誰かが撮影した写真をアートと認める線引きは今後どうなるのだろうか、という質問があった。東京を訪れてスマホで撮影している自分も含め、デリーでも、ソウルでも上海でも見られる光景に、そのキュレーターはふと疑問をもったのだった。

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2013年09月19日 Vol.43

《Days and Lights》Post.21「2つのフォーカス」勝又公仁彦(邦彦)

前回、ピントなどが後から自在に変えられる新時代のカメラとしてライトフィールドカメラの仕組みをご紹介した。紹介しておいて何だが、このような発明と実用化は素晴らしいと思う反面、長年写真を撮ってきた者としてはいささか居心地が悪いというか、違和感を拭い切れない。 というのは、ピントや視点や被写界深度といったことは撮影時に決定していて、後からは動かしようがないというあり方に慣れているのと、同時にその潔さが気に入って写真に関わっているという為であろう。それらの相違は個々の写真家や作品において決定的な意味を持つことがあり、過去の写真史上のみならず、現代においても繰り返し問題にされ言及されてきた。

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2013年09月12日 Vol.42

《shadowtimes》Post.21「モンゴルで風景を考える」港千尋

昨年からsatoshi koyama galleryで開催してきたシリーズ展『風景考』の初の海外展が実現した。場所はモンゴルの首都ウランバートル市内にあるRed Ger Galleryで開かれた。 これはモンゴル最大手の銀行ハーン・バンクの本店の中にあり、展覧会の主催者であるアーツ・カウンシル・モンゴリア(略称ACM)が運営しているスペースである。銀行の内部に誰もが無料で入れるアートギャラリーがあるというのは、常識的には信じがたいのだが、モンゴルでは十分あり得るのだ。 今年5月に訪れて以来いろいろと準備を重ねてきたのだが、苦労話はさておいて、ともかく実現したこと自体が嬉しい。キュレーターの勝又さん、小山さん、そして参加作家のみなさんともども、モンゴルという国の広さと深さを展覧会によって知らされたという気がする。

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2013年09月05日 Vol.41

《Days and Lights》Post.20「既にある未知のフィールドへ」勝又公仁彦(邦彦)

このところ呪術的な話が続いた。そろそろ科学の話題を入れてバランスをとろうと思っていたところ、港さんがアラゴのことを書いて下さった。ダゲールが発明し、アラゴが発表したダゲレオタイプは、光学的な現象を化学的な処理により定着する技術だった。これは現在のフィルムカメラに受け継がれている。 一方デジタルカメラでは、光学的な入力は変わらないものの、その後は電子工学や情報科学などの技術によるイメージ形成が行われる。この点で従来のカメラシステムとは異なっている。 従来のカメラでは、光学系は被写体の正確な物体像を取込むことに意義があった。そのため「良いレンズ」とは通常、色収差や解析などの光学的変調が少ないものを言った。またレンズの違いによる画質の差が、そのまま表現や撮影者の個性や特徴に直結していた。

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